今回お話を伺ったN.Sさん、T.Kさん、E.Mさん(N.Tさん、U.Sさん、K.HさんにはWebのみでお話を伺った)

製品の販売から施工までを一気通貫で

——まずは事業内容を教えてください。

N.Tさん:当社は断熱パネルを主力製品に、プレハブ冷蔵庫・冷凍庫などの「低温空間事業」、工業用クリーンルームなどの「清浄空間事業」、データセンターなどの「快適・安心空間事業」という3つの事業から成ります。2022年度の売上高は約309億円で、低温空間事業が約半数を占めています。

清浄空間事業に関しては、市場全体でのシェアが60パーセントを超えています。さらに、半導体関連企業が九州や北海道などで相次いで製造工場を建設するという追い風が吹いています。当社としてもそうした工場でのクリーンルーム需要に対応すべく、例えば、ノンフロン断熱不燃パネル増産へ向けた設備投資などを行っています。

 

加えて、当社のビジネスの特徴として、断熱パネルなどの材料をただ出荷して終わりではなく、それを建築現場で設計、施工するところまでを一気通貫で手掛けています。そのような体制を強化するために人材を増やしたり、育成したりすることも同時並行で取り組んでいます。後ほど紹介する福岡支店のリニューアルもその一環といえるでしょう。

——御社の経営理念についてお聞かせください。

N.Tさん:会社設立からちょうど10年に当たる2012年に、ミッションステートメントを策定しました。ビジョンは「人々の豊かな暮らしといきいきとした地球のために」、ミッションは「私たちは、熱・音・光・空気を操るあらゆる空間創りに挑戦し続けます」。また、私たちが大事にするものとして、「お客さま第一の行動」「協調と一体の精神」「改善と改革の熱意」「人財重視の姿勢」「情報守秘の約束」を掲げています。

当時の部課長メンバーを中心に、当社が世の中に貢献するためには何が必要なのかを深く議論し、そこから出てきたものを言語化したのが、ミッションステートメントに反映されたと聞いています。今では当時の部課長メンバーは役員など経営陣となっていてミッションステートメントの実現に向かい強力に推進しております。

——「お客さま第一の行動」について、現場での取り組みを説明いただけますか。

N.Sさん:私は福岡支店で設計業務を担当しています。具体的な例を挙げると、低温空間に関するノウハウをあまりお持ちでないお客さまもいらっしゃるため、先方が用意した仕様書が性能過不足であることが多々起きています。そこに対してきちんと指摘するとともに、お客さまの立場で最適な解を見出し、提案するよう努めています。

T.Kさん:昔から付き合いのあるお客さまが多く、訪問すると以前の営業担当者の名前が出てきて、プライベートな話にまで及ぶこともよくあります。もちろん、これはお互いの関係構築によるものですが、その背景には当社がお客さまにとって快適な空間を長年作ってきたからこその信頼があるはずです。

「五者連携」を心がける

——御社ならではの働き方や、活躍されている社員の特徴などはありますか?

N.Tさん:業務を進める上で「五者連携」という言葉を常に意識しています。五者とは、開発、営業(販売)、設計、製造、施工(工事)のこと。それぞれの担当者が連携を緊密にし、すべての工程で協力して一つの案件に対応していくことを心がけています。

 

設計なら設計の立場、営業なら営業の立場があるけれど、相手を思いやり、きちんとコミュニケーションを取りながら仕事を進められる人が当社では求められています。

E.Mさん:福岡支店では30代よりも20代の社員が多いため、若手が引っ張っている感じがあります。例えば、通常なら入社10年目で担当するような大きな案件でも、N.Sさんなどはこなしています。若いうちからかなり鍛えられている社員はいますね。

社員のモチベーションが上がるオフィス環境にしたい

——働く環境の充実化を図るため、全社を挙げてオフィスの「リニューアルプロジェクト」を推進しています。これはコロナ禍がきっかけだったのでしょうか?

U.Sさん:いえ、プロジェクトは2019年11月、本店(東京第1・第2支店)のオフィスを天王洲から新橋へ移転したことがスタートです。それとほぼ同時期に大阪支店のリニューアルを検討し、その後は名古屋支店、仙台支店と広げていきました。主要都市で最後に着手したのが福岡支店です。従って、福岡は他の拠点で蓄積したノウハウを結集させています。

N.Tさん:以前は地域ごとにオフィス環境や設備などの機能がバラバラで、その格差を是正しなくてはならないというのが課題感としてありました。なお、大阪に関しては一度リニューアルを進めたものの、その間に新型コロナウイルスが発生したので、個室ブースを設けるなど、コロナ禍に即したコンセプトに改装し直しました。

U.Sさん:リニューアルプロジェクトの目的の一つが、フリーアドレス制の導入でした。ただ、フリーアドレスはどうしても座席が固定化されてしまう恐れがあり、そうならないためのルール作りが不可欠でした。例えば、前日使った席は座らないようにしようとか、個室ブースは2時間までにしようとか。出社した時にルーレットを回して、出た番号の席に座るようにしている拠点もあります。

——福岡支店は2023年6月にリニューアル移転しました。その狙いを詳しくお聞かせください。

E.Mさん:福岡支店の移転は、22年3月ごろに具体化しました。以前の場所には30年以上もいたため、せっかくオフィスをリニューアルするのであれば、いっそのこと移転したいという支店長の強い思いもあったのです。

物件を選んでいる途中でグループ会社の日軽エンジニアリング株式会社も同じオフィスに入居することに決まり、改めて場所を探し始めたのが8月ごろです。

N.Tさん:執務エリアを拡張することもリニューアルの目的でした。経緯としては、2021年ごろから九州で半導体関連ビジネスの引き合いが急増していたこともあり、そのための人員確保が必要でした。ただし、古いオフィスだと手狭で、これ以上は人を増やせないという意見が当時の支店長から寄せられていたのです。

——移転後のオフィスは、以前と比べてどのくらい広くなりましたか?

E.Mさん:以前が75坪で、現在が109坪です。当社が26人で、エンジニアリングの社員が8人いるので、それを考慮して100坪くらいの物件を探していました。

N.Tさん:私は本社側の人間ですから、広い分にはいいけど、なるべくコストはかけないでほしいとオーダーしました。福岡の地理はわからないので、コストを抑えられる物件をいくつか提案しましたが、猛反発を受けました(笑)。これから仕事も増えて、若い人もたくさん入ってもらわないといけないから、福岡支店のモチベーションを上げて、業績に絶対に貢献したいと思える場所でないとダメだと。結果的に博多駅前の一番いい立地に決まったわけです。

——移転するに当たって、どのような設備や機能が必要だと考えていたのでしょうか?

E.Mさん:以前は個室のブースがなかったので、オンライン会議をするときは、会議室か応接室しか場所がありませんでした。でも、数が足りなかったり、使い勝手が悪かったりして困っていました。新しいオフィスでは個室ブースが2つありますし、小さめの会議室も作りました。逆に、支店の全社員で会議できる大きめの会議室も設置しています。

K.Hさん:それと座席をフリーアドレスにしました。福岡支店に関しては若手が増えてきたのもあって、世代や職種を問わずコミュニケーションをとっている印象です。

E.Mさん:今までは仕事でしか会話したことがなかった人たちとも、席が隣同士になったことで、挨拶や多少の雑談をするようになりました。「こういう人だったんだ!」と改めてパーソナルな面を知れましたね。

T.Kさん:同じオフィスで働いているグループ会社の人たちにも積極的にコミュニケーションをとることで、お互いがどういう仕事をしているのかなどを知る機会ができました。これはフリーアドレスになったからこその成果だと思っています。

——どのような基準で座席を選ばれているのですか?

E.Mさん:お気に入りの席はあるのですが、毎日同じところに座るわけにはいかないので……。いろいろな席を回って、週に2回ぐらいはお気に入りの丸テーブルの席に座りたいと思っています。

 

 

T.Kさん:僕のお気に入りは、半個室が2つ並んでいる席です。コックピットっぽいんですよ。その席だと机の上で資料をいっぱいに広げることができますし、モニターが2つあるので、PCと合わせて3画面で仕事ができます。「今日が勝負!」といった日は、朝なるべく早めに出社して、コックピットで作業しています。

あと、ちょっと難しい案件をやっている時は、設計担当のN.Sさんの隣の席を積極的に確保して、随時相談しながら仕事を進めています。

 

N.Sさん:僕もお気に入りの場所はコックピット席です。本当は僕もずっとあそこに座りたいんですけど、後輩たちの面倒を見ることが多いため、皆からすぐに見えて、声をかけやすいような場所に座るようにはしています。

失敗を恐れず、チャレンジできる人を求む

——業界をリードする企業として、どのような社会貢献活動を行っていますか?

N.Tさん:製品でいえば、環境配慮製品のノンフロン断熱パネル(ジェネスタ®)ですね。当社は業界に先駆けてノンフロン断熱パネルの製造方法を確立しました。さらに現在は国内だけではなく、海外の工場でもノンフロン断熱パネルを製造しています。

製品以外の面でもさまざまなことに取り組んでいます。滋賀県長浜市にある滋賀工場では、NPO団体が主催する琵琶湖湖岸清掃活動「びわそう」に参加して、社員が湖の清掃に励んでいます。また、長浜市には歴史的な遺産が多く、その文化を伝承するプロジェクトに寄付をしています。

最近では社内にSDGsチームが発足しました。会社全体のSDGsの取組みについて考えている最中で、よりよい会社、より活力のある会社、事業を通じて社会の役に立つには自分たちで何を行うべきか、社会貢献活動もその取組みの1つで今後もより力を入れていこうという意見も出ています。

——最後に、ぜひこんな人と働きたい、こんな人なら活躍できるなど、採用に向けたメッセージをお願いします。

N.Sさん:先ほども話に出たように、福岡支店は若手がとても多い反面、まだまだ成長途中の拠点です。若手を引っ張って、人材教育に重きを置いてくれるような人たちが一緒に働いてくれれば、支店全体で成長できると考えています。

T.Kさん:責任を全うできる人に来てほしいです。どんな案件でもトラブルはつきものですが、いざそれが起きた時に他人に丸投げせず、自分で対処しようと思えるかどうか。しっかりと自分でやり切るという気持ちを持った人と一緒に働きたいです。

 

E.Mさん:失敗を恐れない人ですね。そして、失敗したらきちんと情報共有して、どのように対処すればいいかを考えられる人。失敗を隠そうとすれば、当然お客さまにも迷惑がかかります。一方で、課題に直面した際にすぐ先輩などに相談して、その後の経過も報告できるような人は仕事でどんどん成果を出しています。

 

U.Sさん:周囲の人たちが協力してくれるような職場環境を、自分自身で作れるかどうかが大切だと感じています。

 

 

N.Tさん:「アタラシイ空間、アタラシイ価値」という当社のキャッチコピーにもあるように、新しい取り組みに対しても恐れずにチャレンジしてくれる人が来てくれると嬉しいですね。あとは、個人的に仕事が人生のすべてではないと思っています。だから楽しく仕事ができる人たちがもっと入ってくると、当社もさらに変わっていけるのではないでしょうか。

 

K.Hさん:業界ではトップシェアの会社ですが、今後も変わっていく力が必要になるのは間違いありません。そういう点では、発想力があって、なおかつ失敗を恐れない人を増やしていきたいと思います。

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取材のウラ側

インタビュー中、役職や年齢などを問わず、自由闊達に語り合う社員の方たちを目の前にして、社内における風通しの良さを感じた。もちろん、取材の場に選ばれるような社員だから、一人一人のコミュニケーション能力が高いという側面もあるが、それ以上に、日頃の仕事を通じて培った信頼関係の強さを垣間見ることができた。まさに、同社がモットーにする「五者連携」の表れなのだろう。