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さくらフォレスト株式会社
一人ひとりが経営者 ━ 人事、予算、情報、経営に関わる全てをスタッフ自身が決定し、「業務×ワークショップ」という新しいスタイルで事業を行なう会社です。
Official Site商売気質で勉強熱心な人材が多いと言われる九州地方。そのなかでも通販メーカーが群雄割拠する福岡に、社員一人ひとりが活躍する元気な会社がある。健康食品や化粧品の通信販売を行うさくらフォレスト株式会社は、従業員のアイデアを積極的に取り入れ、様々な事業に取り組んでいる。今回は、同社の企業カルチャーや働き方について、取締役の西尾和剛さんと、企画マーケティング部の梅田真未さんにお話をうかがった。
目次
社員のチャレンジを後押しする社風
福岡に拠点を置くさくらフォレストは、健康食品や化粧品の通信販売事業を中心に、飲食業やコールセンター請負業など幅広い事業を展開する、九州でも勢いのある企業の一つだ。
ーー事業内容について教えてください。
西尾和剛さん(以下、西尾さん) 当社のメインは通信販売です。自社ブランド「さくらの森」を運営し、「ともに豊かに」をコンセプトに健康食品や化粧品を取り扱う通信販売事業を行っています。ほかにも、コールセンター請負業やグランピングなども手掛けています。
ーー幅広く展開されているのですね。
西尾さん 新しい事業は、基本的に社員のアイデアから生まれることが多いです。社員には失敗を恐れずに、やりたいことに挑戦してほしいと考えています。私も、若い頃は苦い経験をしましたが、失敗から学ぶことはたくさんあります。会社として新たな事業を社員に任せる際は、「当事者がちゃんと学べるか」を意識して投資しています。
梅田真未さん(以下、梅田さん) 最近では、映像を撮ることを仕事にしたいというスタッフを中心に、撮影スタジオ事業を立ち上げました。周りのスタッフと話をしていくうちにだんだん形になり、さらに会社が支援することで、新事業として実現していきました。個人の思いと情熱に、周りが動かされていったんです。
ーーチャレンジを後押しするような制度はありますか?
西尾さん 社員が自分の好きなことに挑戦できる、「チャレンジ予算」という制度があります。これは、会社の利益を社員みんなに還元し、みんなのやりたいことを応援しようという考えから来ています。
梅田さん あとは、自分の成長のために使ったお金を経費で落とせる、「個人予算」というものがあります。自分が成長できると感じるなら、基本的に内容は問いません。社員もパートさんもみな同じく予算を持ち、金額は勤続年数によって変わります。
そして、学ぶための本は、誰でもすべて経費で購入できます。社内には、自分が良いと思った本を共有するための本棚があり、みんなで本を持ち寄ったりもしています。
自然なコミュニケーションを目指して
2014年に「グローバル創業・雇用創出特区」となった福岡市。以来、ベンチャーやスタートアップ企業が多く集まる。さくらフォレストも、そんな福岡に本社を置く。
ーー働いているのは地元の方が多いのでしょうか?
梅田さん 8、9割が九州の人間です。なかには北海道から来ている人もいるのですが、その入社理由がユニークなんです。
少し前に、弊社の「朝礼」の様子がいろんなメディアで取り上げられたことがありました。私たちが「感謝の朝礼」と呼ぶもので、始業前に身近な人へ、心からのありがとうを伝えます。その様子を見て「この会社はおもしろい」と感じ、入社したと聞きました。
こういうカルチャーが土台になるからこそ、社内で良好な人間関係を構築できているのだと思います。
ーー福岡という土地の良さを教えてください。
梅田さん 福岡はベンチャー企業が多く、通販業界の中心地と呼ばれています。若い世代が活躍している会社も多いですし、20代でも責任あるチャレンジをしている人がたくさんいます。横のつながりも築きやすく、ほどよい大きさの地方都市だからこそ人脈もすぐに広がります。
西尾さん 福岡は企業支援の特区なんです。一定の条件を満たせば、創業から5年間は法人税が安くなるというような特例措置があるのも、ベンチャー企業が生まれやすい理由なのではないでしょうか。さらに、東京の人に言わせると、九州は東京より人間味というか、人間くささがあるようです。
職場での打ち合わせも、仕事の話だけに終わりません。コロナ前の話ですが、当社ではその後、一緒に飲みにいくようなことだって多々ありました。人間同士のコミュニケーションが生まれやすい文化なのかもしれません。
ーーコロナ禍では、どのような工夫をしてコミュニケーションを取られたのでしょうか?
西尾さん コロナ禍では、2020年4月の1カ月だけ全員リモートにしました。安全・安心を徹底したうえで、その後は出社自由としたのですが、そのときにほとんど全員が出社してきたんです。これには少しびっくりしました。
ーー皆さんが出社したくなる理由は何だと思いますか?
梅田さん 当社では、会社の方向性などを社員に委ねてくれている部分が大きく、個人がやりがいを持って働けるのが特長です。何事も自分たちが決めて仕事をするため、そのぶん考えなければならないことも多い。そういうとき、誰かと話したり、相談したりしたくなるんです。会社だとそれができます。
ーー働きやすさのためにしていることを教えてください。
西尾さん コロナ禍になってから、社内にコミュニティ・カフェのような場所をつくりました。例えば、ミーティングのように目的があって集まる場合、人は構えた会話しかできなくなるんです。一方、日常的にざっくばらんに会話できる場所があれば、コミュニケーションがさらに円滑になり、ミーティングのときにも意見が出やすいのではないかと考えました。
ひと昔前の喫煙所のようなポジションですね。喫煙所での会話って壁がないんですよ。そういう場所をつくりたいと思って、くつろげるソファやお菓子を置いたスペースを用意して集まれるようにしています。
あとは、オフィスの真ん中に丸テーブルを置いたのも良かったです。たまに自分の席を離れてそこで仕事をしたり、軽い打ち合わせにも使ったりしているようです。うちのフロアは基本的に壁がないため、通りすがりに「なんしようと?(何をしてるの?)」みたいに軽く声をかけて、社員同士のコミュニケーションも生まれています。
自立した行動が、組織に良い影響を与える
ーー御社で活躍されているのは、どういったタイプの方が多いですか?
梅田さん 自分の成長に対し、本当に一生懸命になれる人ですね。自立できている人は、ベクトルが自分に向き、チャレンジ精神も旺盛で主体的に動ける。仕事を通じて自分を成長させたい人のほうが、結果的にノウハウもたまり、自然とステップアップできるのではないかと考えています。
ーー梅田さんご自身が、最近、新しくチャレンジされたことはありますか?
梅田さん チームを編成したことでしょうか。私が所属する企画マーケティング部は、もともと、成長意欲の高い人が多い部署なのですが、マンパワーで押し進むような個人の集まりでした(笑)
しかし、スタッフが増えたり仕事の幅が広がったりするにつれ、一人でできることに限界が出てきたのです。そのため、私ともう一人のスタッフが旗振り役となり、半年ほど前にチームをつくりました。
ーーチームをつくったことによって、どんな効果があったのでしょうか?
梅田さん みんなが楽しそうに働いている姿をよく見るようになりました。チームを良くしたり、仕事の質を上げたりするための主体的なアクションも、圧倒的に増えたと思います。
ーーどんな形でチームをリードしていったのですか?
梅田さん 企画マーケティング部では、毎日、その日のスケジュールのような情報共有から、それぞれが今抱えている問題など、いろいろな話をします。これによってコミュニケーションの好循環が生まれ、チームの仲間が困っていることに対して、社歴が長い人や経験値の高い人が自然とサポートするという形ができあがりました。
そうすると、後輩たちも先輩の姿を見てマネをします。そういう仲間意識が芽生えたところが一番良かったですね。少しのサポートで、仕事がうまく回ることが増えてきたように思います。
西尾さん チームができる前は、なかなか結果が出せなくて、みんな精神的に疲れている感じがしました。しかし、チームで動くようになったことで、チームのなかで自分自身ができることを見つけ、商品開発のスピードも格段に上がりました。
チームづくりは基本的に社員に任せています。商品企画にWebマーケティングと、やることは増えていると思うのですが、みんないきいきと働いている様子を見ると、すごく良いチームづくりができていると感じます。
個人の成長が会社の成長につながる
ーー活躍する個人に対して、どのような評価制度がありますか?
西尾さん 3カ月に1回、全社で四半期総会を開いているのですが、前回はそこで各チームのMVPを選びました。各部署でアンケートをとって、がんばっていた人を選んでもらうんです。
MVPに選ばれた社員に、一人10分間ほど何をがんばったかをプレゼンしてもらうのですが、みんなの熱い思いに感動しました。MVPの内容は部署それぞれですが、一番成長したなと思う人が選ばれている気がします。
梅田さん 当社は、「個人」にスポットが当たる会社だと感じます。業務や成果だけではなく、その人が何を好きで、どうがんばってきたかを大切にし、みんなで共有するカルチャーがあるんです。
西尾さん 個人のチャレンジや成長にスポットを当てることが、会社としてのビジョンにもなっています。個人を大切にすることによって、その人も主体的に働くようになる。さらに、楽しく働くことによって会社へのコミットも生まれる。そうすれば、会社の業績は自然と上がっていくのではないかと考えています。
ーー今後の展望について教えてください。
西尾さん 市場を広げるために、通信販売の海外進出を進めています。日本だけなら1億2000万人のマーケット規模ですが、アジアを中心とした10カ国を見据えれば、20~30億ぐらいの経済圏になると考えています。まずは10カ国展開が目標です。
「ともに豊かに」というコンセプトを軸に、当社の事業を世界に広げていきたいです。今は健康食品がメインですが、皆さまに喜ばれる化粧品や本当においしい食品など、商品の幅も広げていきます。社員とともに、みんなでチャレンジすれば必ず実現するはずです。
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取材のウラ側
個人のチャレンジや成長にスポットを当てることが、会社としてのビジョンだという同社。個人を大切にすることが、結果的に会社の成長にもつながっているという言葉が印象的だった。社員同士がよく会話するというカルチャーも、コミュニケーションの好循環を生んでいる。チームづくりによって仲間意識が芽生え、社員同士の助け合いが自然にできるようになったというのも、普段のコミュニケーションがうまくいっているからこそだろう。地方都市のなかでも、行政の取り組みが注目される福岡。社風にひかれて遠方から移住した社員もおり、地方移住にもポジティブな気持ちが持てた取材だった。
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