今回お話を伺った藤原さん(写真左)、阪本さん(写真中央)、畑山さん(写真右)

SDGsに対する関心の高まりを背景に事業を拡大

——事業内容と、近年の状況を教えてください。

畑山さん(以下、敬称略):当社はオール電化システムや太陽光発電、蓄電池システムなどの施工販売、保守・メンテナンスを軸に、外壁塗装やトータルペイント、リフォームなど、住宅周りの設備全般を手がけています。

コーポレートカラーのオレンジが映えるインパクトあるオフィスエントランス

阪本さん(以下、敬称略):2014年、省エネ機器の販売や施工を行う会社として創業し、関西を拠点に事業を拡大してきました。2015年には国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、日本でも持続可能な暮らしへの意識が高まっています。電気代の値上げにともない太陽光発電が注目されたり、災害時の備えとして蓄電池への関心が高まったりしていることも追い風となり、当社の事業も順調に成長を続けてきました。おかげさまで、今期の売り上げも前年度を上回り、過去最高となる見込みです。

——会社を経営する上で大切にしているのはどんなことですか。

阪本:「私たちは常に思いやりの心を忘れることなく、エルライングループに関わる一人ひとりが豊かに生きる未来の実現に挑戦し続けます」という理念を掲げています。社員一人ひとりに向き合い続けることは、設立当初から大切にしてきた文化です。多様なメンバーと共に成長し、それぞれの家族からも応援されるような会社にしたいと考えています。

理念を実現するため、「プロ意識」「ユーモア」「誠実」「挑戦」「思いやり」「礼儀」「経営的思考」「人間力」の8つを行動指針として掲げています。

チームワークとユーモアを大切に。明るく活気のある社風

——社内はどんな雰囲気なのでしょう。

阪本:20〜30代の若いメンバーが多く、とても活気がありますね。社員だけで約100人、コールセンターで働くスタッフも含めるとおよそ300人のメンバーが、9つの部署で働いています。昨年からは新卒採用もスタートし、これからますます賑やかになると思います。

 

畑山:当社でもっとも人数が多いのは営業部門なのですが、良い意味で「営業会社っぽくない」雰囲気だと感じます。一般的な会社の営業部では、どうしても個人の営業成績だけが注目されがちです。もちろん個人が成果を挙げることは重要ですが、それに加えて、部署全体での目標の達成を目指すチームワークの良さが当社の特徴です。互いに思いやりを持ち、サポートし合いながら仕事に取り組んでいます。

クリスマスやハロウィン、忘年会や食事会など、イベントがあるときには支社ごとに集まる機会を設けています。営業担当者は外出することが多く、ふだん顔を合わせる機会が少ないメンバーもいるのですが、イベント時には和気あいあいと過ごし、関係性を深める機会にもなっているようです。

 

阪本:社内には野球部もあるんです。「ヒートポンパーズ」というチーム名で、昨年から「道頓堀リーグ」という社会人リーグに参加しています。私自身も参加して、社外の人と仲良くなるきっかけにもなっているんですよ。今年は5位でしたが、野球経験者も入社してくれたので、来年の優勝を目指してがんばっています。

「ヒートポンパーズ」のユニフォーム

——ヒートポンプは、エコキュートなどの給湯器にも使われている技術のことですよね。明るく楽しい雰囲気が伝わってきます。

阪本:それがエルライングループの良さだと思っています。仕事中はしっかり真面目に働くけれど、それ以外のときには冗談を言って笑い合えるような関係性があると、会社へ行くことが楽しくなりますよね。お客様を笑顔にできるのは、プロ意識や誠実さと同時に、ユーモアを持った営業マンではないでしょうか。そんな思いから、行動指針でも「ユーモア」を掲げています。

オープンスペースのテーブルは卓球台になっており、ユニークさを大事にする同社ならではの遊び心と言える

本社オフィスを移転リニューアル。自然な会話が生まれるきっかけに

——2022年9月には、本社オフィスを移転リニューアルされました。

阪本:会社の成長と共にメンバーが増えて、以前のオフィスに入りきれなくなったのが移転を決めた最大の理由です。外回りから戻ってきた社員が、どこに座るか迷うくらい手狭になってしまって。私自身も個室がなく、人通りの多い場所にデスクを置いていたので、落ち着いて仕事ができなかったんです。

 

新しいオフィスは、社員同士のコミュニケーションが生まれるような空間にしたいと考えました。新卒採用もスタートし、これから当社で活躍してくれる若い人たちに、働きやすい環境を用意したいという思いもあります。

オープンスペースは、フレキシブルに働ける場所だけでなく、全社会議などの社員が集まる機会を提供する場所にもなっている

——実際に新オフィスで働いてみて、いかがですか。

畑山:新しいオフィスはワンフロアで、オープンスペースと社員のワークスペース、コールセンターのスタッフが働くスペースに分かれています。オープンスペースは音楽が流れていて、カフェのような雰囲気です。卓球台もあるんですよ。私は採用面接を担当しているのですが、候補者の方に「きれいなオフィスですね」と驚かれることも多いです。私自身も「居心地のいいオフィスなんです」と自信を持って話せるようになりました。

来客対応だけでなく役員会議も実施される10名用会議室

ワークスペースは、作業机が広くなったので仕事がしやすいです。また、ミーティングルームができたので、個人的な相談など1対1で向き合いたい場面でも、落ち着いてじっくり話せるようになりました。

6名用会議室は日常的な打ち合わせや採用面接など様々な用途で活用されている

藤原さん(以下、敬称略):以前のオフィスは部署ごとに固定席を設けていたのですが、新しいオフィスではフリーアドレス制を導入しています。個人情報を扱うときはワークスペース、気分を変えて仕事をしたいときにはオープンスペースへ移動するなど、毎日違う場所で働けることがリフレッシュになっていますね。オフィスが変わったことで、以前はあまり話す機会がなかったメンバーとも自然に会話が生まれていると思います。営業部のメンバーは、以前より会社に戻ってくる回数が増えたようです。

オフィスに訪ねてくるお客様も、込み入った内容でなければオープンスペースにご案内します。「どこから入ったらいいのか迷うくらい広いですね」と驚かれることが多いです。「素敵なオフィスですね」とオフィスの話題から会話が始まることもよくあります。

 

阪本:オープンスペースにはバーカウンターや本棚、休憩や仮眠ができるコーナーもあり、社員のリフレッシュにつながっているようです。私個人としては、専用の執務スペースができたので仕事に集中できるようになりました。

オフィスの奥まった場所にある休憩や仮眠がとれるスペース
このスペースはライブラリスペースにもなっており、漫画本や書籍などが並んでいる

有給取得率100% 若い人が働きやすい会社をつくる

——貴社では、どんな方が活躍していますか。

阪本:向上心があり「この会社で何かを成し遂げたい」と強い思いを持って入ってくるメンバーが多いですね。事業の成長と共に組織が大きくなり、人を育てる環境も整ってきました。新卒採用と共に、今後は管理職、マネージャー候補となる人材の育成にも力を入れていきたいです。

——人材育成はどのように進めていますか。

阪本:新卒で入社する若い方には、対面でしっかりと研修を行います。会社の理念や業務の進め方だけではなく、社会人としての礼儀や思いやり、営業マンとしての基本的な考え方も身につけてほしいと考えています。

オープンスペースにある階段状の椅子は、気軽なコミュニケーションや「集まる」ことを考えて設計されている

太陽光発電や蓄電池、オール電化といった商品は、時代のニーズにフィットしていて、お客様の関心も高い分野です。営業職としての経験やスキルを積みたい人には、やりがいのある環境ではないでしょうか。

——人事評価はどのようにされているのでしょう。

阪本:営業を主な事業とする会社なので、数字として目に見える成果はもちろん第一に評価します。同時に、素直さや誠実さ、部下や同僚への思いやりなど、数字だけでは測れない人間性の部分も大切にしています。契約件数や受注金額によって支給される高水準のインセンティブに加え、四半期ごとに行動目標を設定し、達成すれば昇給する仕組みもあります。実際、当社でマネージャーや管理職として活躍しているのは、部下の成長を心から願い、愛情を持って接することができるメンバーばかりです。

 

藤原:全社員、勤続半年ごとに月給が5千円ずつ加算される勤続手当も用意しています(最大5万円まで)。住宅手当や引っ越し祝い金など、福利厚生も充実していると思います。

 

畑山:ユニークだなと思うのは「バースデー有給」の制度です。誕生日がある月に有給をとって休んだり、家族で過ごしたりできるんです。

——有給休暇の取得率はいかがでしょうか。

畑山:100%です。「しっかり休むように」とマネージャーから言われることもあり、皆、休めるときにしっかり休んでいます。有給を申請しにくい雰囲気もありません。営業のメンバーを含め、基本的に残業もありません。

ファミレス席は執務やオープンな打ち合わせ、アルバイトの面接にも活用されている

阪本:会社を設立した当初は、仕事がどんどん増え、やむを得ず残業が発生してしまう時期もありました。現在はメンバーが増えて社内の環境が整ったこと、これから入社する若い人たちが働きやすい組織を作りたいという思いから、勤務時間内に仕事が終えられるような仕組みを作っています。

エルライングループに関わるすベての人を幸せにする

——社員一人ひとりを大切にするという理念が、実際の制度や仕組みにも行き届いているのですね。会社としては、今後どのような展望を描いていますか。

阪本:創業当初、太陽光発電や蓄電池といった住宅設備は、今ほど注目されていませんでした。2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを2020年に政府が宣言したことで、再生可能エネルギーの重要性が高まり、太陽光発電や省エネ機器を紹介する私たちの事業が、SDGsに貢献するという社会的な意味合いも持つようになったと考えています。

 

 

今後はこれまで手がけてきた業務を主軸に、グループとして事業の幅を広げていきたいです。現在は、コールセンターのスタッフがお客様にアプローチし、アポイントをいただいた段階で営業スタッフがお客様を訪問するというスタイルがメインですが、営業担当者が直接お客様のご自宅を訪問し、商品やサービスのご紹介をする事業部を立ち上げました。自社内にある工事部のほか、住宅設備機器の施工を行う子会社も設立しています。また、営業会社に特化した管理システムを自社で開発することにも成功しました。ぜひほかの会社でも活用してほしいと考え、システムの販売もスタートしています。

——組織づくりについては、どう考えていますか。

阪本:会社設立から9年が経ち、お客様や社員、その家族を含め、本当に多くの方が当社に関わってくださるようになりました。「エルライングループに関わってよかった」と感じていただけるよう、これからも私たちができることを精いっぱいやっていきたいです。まずは私自身が成長し、社員一人ひとりとその家族が豊かになることが、お客様の満足にもつながっていくと考えています。

この企業のことをもっと知る

取材のウラ側

再生可能エネルギーに注目が集まる以前から、エコキュートや太陽光パネル、蓄電池等の販売、新電力事業などを手がけてきた株式会社エルライングループ。社員一人ひとりの豊かさを実現するという組織づくりの理念を掲げている。その哲学は、創業から9年が経っても揺らぐことなく、評価制度や人材育成の仕組みにも着実に浸透し、顧客の豊かさ、事業の拡大という形で実を結ぼうとしている。同社で働く人たちが豊かさを感じているかどうか。その答えは、広々とした新本社オフィスに満ちる活気と、社員の皆さんの明るい表情を見れば一目瞭然だ。