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株式会社KADOKAWA
KADOKAWAは、出版、アニメ・実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTechなど多角的に展開する総合エンターテインメント企業です。「グローバル・メディアミックス with Technology」を戦略に掲げ、創出したIP(知的財産)を世界へ発信。筆頭株主の異動や新アニメスタジオ設立など、2026年も変革を続けています。
Official Site出版、映像、ゲームと多彩なコンテンツ事業を展開する株式会社KADOKAWA。同社ではABW(Activity Based Working)導入や、独自の制度「ワークプレイスチョイス」の展開など、業界に先駆けた働き方改革を推進してきました。在宅勤務率は常時7割ほどを維持しながら、社員のエンゲージメントと成果を両立させています。今回は、グループ戦略総務局 局長の釣部信慈さん、グループ人事局 人事企画部 部長の菊本洋司さん、オフィスファシリティ課の岸下心志さんに、オフィス変革から人事制度の設計思想まで話を聞きました。
目次
Z世代に合わせた働き方を
——2023年、「北の丸スクエア」に新オフィスを開設しました。
釣部:大きな理由はこれまでのオフィスが手狭になったことによる増床です。ただ、北の丸スクエアオフィスの開設を契機に、飯田橋エリアにある8〜9拠点のオフィスを全体的にリニューアルしました。主な変化としては会議室にも倉庫にもなり得る「部門専用室」を各部署に割り当てたことです。
使い方は部署ごとに自由に決めてもらいました。会議スペースが足りない部署は会議室として使えばいいし、倉庫が必要な部署はそう使えばいい。自発的な働き方を促す仕掛けとして、組織に裁量を委ねたのです。
——その中でユニークの使い方をしている部署はありますか?
岸下:過去に発行した雑誌のバックナンバーや書籍を棚に並べて、仕事のモチベーションアップなどにつなげている編集部がいくつかありました。また、隣り合う2部屋を一体で使い、チーム全員が集まれる大きなスペースとして活用している部署もあります。
——リモートワークを加速させるため、ABWを2019年から推進するなど、国内企業でもかなり早い時期から働き方の改革に取り組んでいます。どのような背景があったのでしょうか?
岸下:Z世代が入社してくる時代を見据え、これからの働き方は会社の固定席ではなく場所にとらわれないスタイルが主流になると判断し、間に合わなくなる前に準備を始めようという考えからでした。ABWは試行錯誤を重ねながら一部の部署から導入していきました。2020年に複合施設「ところざわサクラタウン」内のオフィス(所沢キャンパス)を開設した頃にはリモートワークの環境が整い、WeWorkやサテライトオフィスなども用意して、いつでもどこでも仕事ができるようにはなりました。
——当初、社員の反応はいかがでしたか?
菊本:実は準備が整っていても、コロナ禍以前の在宅勤務率は5%にも届かなかったんです。従来の仕事のやり方を変わることへの抵抗感は根強くありました。コミュニケーションツール「Slack」を導入しようとした時も、他のツールとの使い分けが分かりにくくなるとの意見を頂くことがありました。
それが大きく変わったのは、コロナ禍によって在宅で仕事せざるを得なくなったことでした。特に編集者の方々がタブレット上でPDFのゲラ(校正刷り)に直接赤字を入れる作業に慣れると、今までの紙の作業工程よりも効率的な働き方だと、当事者として納得頂けました。とりわけ子育てしながら働く社員の人たちが大いに利便性を体感し、一気にリモートワークやペーパーレスが進んだ印象です。
釣部:経営会議の資料もかつてはとんでもない量の紙を使っていましたが、今はタブレット1台に収まっています。ペーパーレスは地球環境的にも、運営する側にとっても大きな改善でした。若い世代はそもそも紙の業務を経験せずにデジタルから入ってくるので、こうした流れは今後さらに加速していくでしょうね。
どこで働くかを社員自身が決める
——2023年4月に導入した「ワークプレイスチョイス」の概要を教えてください。
菊本:オフィスか在宅のどちらをメインに働くかを、社員自身で選択できる制度です。在宅を選んだ社員には毎月2万円の手当が支給される一方、会社に固定席や個人ロッカーは設けられません。私物を職場に置かず、在宅を基本とするというメリハリの強い設計になっています。ただし、チームビルディングや重要なミーティングの際は出社してもらえるよう、オフィスは集まりやすい受け皿として機能させています。
また、一度選んだからといって固定ではなく、ライフスタイルの変化や部署異動に合わせて見直すことも可能です。育児や介護など、その人の事情に応じて最適な働き方を選んでほしいという思いが根底にあります。
——実際の利用状況はいかがですか?
釣部:オフィスをメインとする社員は全体の約10%、残りの90%が在宅をメインにしています。ただし、在宅の社員も週2〜3回程度は出社してフリーアドレス席で働くこともあるため、実際の出社率は平均して70%前後になっています。編集部など固定席が多い部署もありますが、逆にほぼ完全リモートで回している部署もあります。
——地方移住して働くケースも生まれているのですか?
菊本:岡山や愛知、京都など東京以外で働く社員の事例も出てきています。一度に爆発的に増えたわけではなく、結婚や子育てなどライフステージの変化のタイミングで「この制度があるなら」と選択する社員が少しずつ増えています。出社が必要な際の交通費も一定額まで支給されるため、遠方からでも柔軟に対応できる仕組みが整っています。
採用面でも「本当にそういう制度があるんですか?」と確認が入るほどで、柔軟な働き方を求める方への訴求力は明確に高まっています。リモート前提で仕事をしたいという求職者もいて、地域を問わない採用が実態として機能し始めています。
——制度設計で特に苦労したことはありましたか?
釣部:導入当初は、在宅を選んだ社員が手当をもらえるのに対し、オフィスを選んだ社員から「自分たちには何もないのか?」という声が上がりました。そこでオフィスをメインにする社員には固定席の確保に加え、好みのモニターやモニターアームなど、デスク周りの環境を会社が整備することで納得してもらいました。
菊本:制度そのものはシンプルで分かりやすい分、社内説明会では非常に多くの質問が寄せられました。また、手当を支払う対象者の管理や、固定席の運用フロー整備など、総務、人事、ICTチームが連携して準備を重ねたプロジェクトでした。導入の約半年前から具体的な中身を詰め始め、社員の納得感を得ながら丁寧に仕上げていくことに努めました。
自律性と成果主義
——ワークプレイスチョイス以外にも、特筆すべき人事制度はありますか?
菊本:FA(フリーエージェント)制度も導入から約4年になります。現在の上司に拒否権がなく、社員が自ら手を挙げて異動先に応募できる仕組みです。KADOKAWAの社内異動のうち、毎年約50%がFA経由によるものです。この数字を2030年までに70%へ引き上げることを目標に掲げています。
具体例を挙げると、事務職から編集者にキャリアチェンジした方や、グループ会社の株式会社ドワンゴから移籍してKADOKAWAの編集部に入った方もいます。年齢やポジションに関わらず、かなり柔軟な運用がなされています。
新卒採用においても「配属先は100%本人希望通り」が原則です。入社試験の段階でどの部門に入りたいかを決めた上で、その部門の責任者が面接官になる。つまり、ご本人の意思を最大限に尊重した採用プロセスとなっています。
——社員の自律性が最優先される一方で、仕事に対する責任の担保はどのようにとっているのでしょうか?
菊本:年功序列ではなく、実力主義に近い報酬制度と組み合わせています。成果を出した人には確実にそれが反映されます。自分が最もパフォーマンスを発揮できる環境を自分で選べるからこそ、結果に責任を持つというモデルが機能しています。
社長自身もオープンコミュニケーションに積極的
——リモートワークが主流の中で、社員同士のコミュニケーションやチームワークはどのように維持していますか?
菊本:Slackの活用が大きいですね。情報はなるべくオープンなチャンネルでという文化を育ててきました。導入当初は個人間のDMが主流でしたが、徐々にチャンネルでの情報共有が定着してきました。全社通知チャンネルには(夏野剛)社長も直接メッセージを投げ、社員からフィードバックを受けることもあります。現在はグループ全体で約9000人がSlackに参加しており、グループ会社をまたいだ情報共有も活発です。
また、KADOKAWAは複数の部署やグループ会社を兼務する社員が多いことも特徴で、リモートワークとSlack、オンライン会議の組み合わせにより、容易に複数部署を横断した働き方が可能になりました。かつては物理的に移動が必要だった兼務が、ICTツール活用の定着によって現実的な選択肢になったのです。
それぞれが語る、KADOKAWAの魅力
——最後に、皆さんがKADOKAWAで働いていて良かったと感じる瞬間を教えてください。
釣部:自社が関わったIP(知的財産)やコンテンツが世の中に出て、好評を博しているのを見る時ですね。直接制作に携わっていなくても、同じ会社の仲間が作ったものだと思うと誇らしくなります。
菊本:グループの教育機関(N高等学校やバンタンなど)で育ったアニメーターが株式会社KADOKAWAクリエイターズというアニメ制作スタジオで経験を積み、最終的にはKADOKAWAのアニメ制作子会社へとキャリアパスをたどっていける仕組みを今まさに作っているところです。教育から制作、事業展開まで一貫して手がけられる会社はなかなかない。その面白さは日々感じています。
岸下:所沢キャンパスが「日経ニューオフィス賞」を受賞したことや、YouTubeなどで自分が手掛けたオフィスが映り込んでいるのを見つけた時は嬉しいですね。でも何より、オフィスに行くたびに社員の方から「働きやすくなったよ」と声をかけてもらえることが一番の励みになっています。
——ありがとうございました。
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取材のウラ側
取材で訪れた北の丸スクエアのオフィスは、新刊が並ぶバーのようなラウンジが印象的で、KADOKAWAならではの要素に囲まれた高揚感あふれる空間でした。デジタル化が進む一方で、出版社ならではの機材も整備されており、現場にはプロフェッショナルの真剣な熱気が漂っています。リモートと出社を使い分け、部門ごとに最適化された「集中できる環境」が整っているからこそ、世界を感動させる物語が生み出されているのだと、その執務環境の素晴らしさを実感しました。
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