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LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は、2023年の合併を経て多様なサービスを展開するIT企業です。2026年4月に約7000名の社員が在籍する赤坂オフィスを新たに開設し、ハイブリッドワークへの移行に合わせた最適なワークプレイスを構築しました。
Official Site2026年4月、LINEヤフー株式会社の新たな拠点として赤坂オフィスがオープンしました。「LINEヤフーらしさ」を体現するべく、1万6000坪の新オフィスに散りばめられた仕掛けとは何でしょうか。人事総務CBU 総務ユニットリードの坂口卓さん、デザイン CBU VXDユニットの佐藤晋平さん、そして人事総務CBU グッドコンディションサポートディビジョンの長谷川由紀さん、石下美保さんの4人に話を聞きました。
目次
コミュニケーション活性のための2つの仕掛け
——赤坂トラストタワーにオフィスを新設し、2026年5月に全フロアをオープンしました。新たな事業拠点開設の背景を教えてください。
坂口:働き方に関して長らくフレキシブルな形態をとっていましたが、2024年12月に、2026年4月以降は原則週3回のオフィス出社に切り替えるという方針が全社に発表されました。ただし、コロナ禍においてLINEもヤフーも相当な面積のオフィスを返却していたので、出社頻度の増加に対応するには新たにスペースを確保する必要がありました。そこで赤坂オフィスに関しては、約1年3カ月をかけて急ピッチで整備を進め、このたびの開設に至っています。
赤坂オフィスには、新しい働き方を実現するための環境を提供すること、AIによる市場変化に対応して社員の業務スピードを加速させること、という2つの期待を込めています。
オフィス全体で1万6000坪、働く社員数は7000人ほどです。全社員のうち約3分の2が赤坂オフィスに移り、コーポレート部門の一部や開発専任のエンジニアなど、残りの3分の1は引き続き紀尾井町の本社オフィスに在籍しています。
——オフィスの空間設計の特徴は何でしょうか?
佐藤:LINEとヤフーの合併時に作ったコーポレートロゴに用いられるデザインコンセプト「Stay Closer, Go Further」を、オフィスのコンセプトにも採用しました。合併当時は「くっついて前に進もう」という思いだったのが、今回は社員同士の再会ではないけれども、「もう一度出会おう」といった思いがあって、空間設計のコンセプトにしました。
空間設計においてはわかりやすさを最優先して、会議室やデスクエリアなどがどこにあるのか、誰もが直感的に把握できるシンプルなレイアウトにしています。その上で、コミュニケーション活性化のための仕掛けを2カ所に設けました。一つは「CONNECT HUB」。執務エリアの中央に位置するこのスペースは、デスクも椅子もホワイトボードもモニターもすべて可動式で、自由にレイアウトでき、50〜60人規模の朝会にも対応できます。
もう一つは「CONNECT STREET」です。自席への動線上に必ず通る、学校の廊下のような場所を、あえて広めの通路として設計しました。そこに打ち合わせスペースをはじめとするさまざまな機能を配置することで、通りすがりに人と出会い、自然とコミュニケーションが生まれるようにしています。
また、フロアごとに4種類程度のデザインを展開しています。会議室の予約のために別フロアへ移動するたびに雰囲気が変わるので、移動自体が楽しくなったり、「うちのフロアが一番いい」という会話が生まれたりしているのも面白い反応でした。
LINEとヤフー、2つの文化を融合させたオフィス
——デザインや機能の面で本社オフィスとの違いは?
佐藤:紀尾井町の本社は元々ヤフーのオフィスで、そこに私のようなLINE出身の社員が後から入った形になります。さらに、その頃にはオフィス開設時に掲げたコンセプトから多少変わっていたこともあって、LINEヤフーとしてフィットしていない認識を持ちました。だからこそ今回は、LINEのオフィスの特色だった「シンプルなレイアウト」や「機能ごとの明確な区分け」と、ヤフーのオフィスの強みだった「自由な選択肢」を掛け合わせた、LINEヤフーとしての新しいオフィスを作ろうという意識が強かったですね。
坂口:補足すると、旧ヤフー本社(紀尾井町オフィス)も旧LINEオフィスも、当初の思惑と実際の使われ方がかい離していた部分がたくさんありました。両社の文化的な良さを引き継ぎながら、過去の反省を生かしたオフィスにしたいと考えました。
——オフィス構築にあたり、社員をどのように巻き込んでいったのでしょうか?
佐藤:プロジェクトチームだけで決めるのではなく、各組織の代表者で構成されるオフィス分科会を設け、コンセプト策定からレイアウトの大枠、導入機能の議論まで、社員の意見を反映するプロセスを踏みました。
ワークショップは3回開催しました。「新入社員がどう動くか」を起点にオフィスのあり方を考えるセッションなど、凝った企画内容が多かったです。外部の設計会社も参加した回では、社内外の4〜5グループが現状の赤坂オフィスとほぼ同じレイアウトを選ぶなど、関係者内での意思疎通がしっかりと図られていたのが、スピーディーに物事を進められた要因でした。
坂口:そうですね。「サウナがほしい」といった話が出ながらも、参加者の多くが現実的な視点を持つ役職者だったこともあり、収束が早かった印象があります。
何よりも、参加者のマインドがとても良かったと感じています。リモートワークから出社に戻すのは基本的にネガティブな感情を生みがちですが、「せっかく新しいオフィスを作るのであればいいものにしよう」といった前向きな意見が出やすかったです。それがスムーズな合意形成につながったと思います。
社員が自由にオフィスを使い倒す
——新オフィスに対する社員の反応はいかがですか?
坂口:家具などの細かな備品に関する問い合わせはありますが、オフィス全体へのフィードバックは総じてポジティブです。何より嬉しいのは、CONNECT HUBやCONNECT STREETが想定以上に有機的に活用されていることです。
例えば、以前は会議室を一日中占拠している部署などが多く、会議室の予約が取れないことが慢性的な課題でした。ところが、赤坂オフィスではCONNECT STREETやオープンスペースを使った立ち話やチームミーティングが自然に増え、会議室の予約数が目に見えて減っています。
また、部門ごとに創意工夫してオフィスを使ってくれているのも印象的です。家具を自分たちで組み替えて、新卒研修のスペースをセットアップしているチームもありました。
佐藤:赤坂オフィス初日の朝からCONNECT STREETの棚やベンチシートなどが活用されているのを見て、「なんて頼もしい社員なのだ」と率直に思いました。仲の良い友だちの部屋のようにオフィスを使ってほしいと思っていたのですが、こちらから何も指示しなくても、勝手にランチ会を開いたり、コーヒーを飲みながら会話していたりと、まさに思い描いていた通りに体現してくれました。
坂口:部活動や社外パートナーを招いたイベントなど、これまではスペースの制約から実現できなかったことが赤坂オフィスでは可能になりました。また、グループ会社であるLINE FRIENDSのグッズを販売するスペースや、経営陣のおすすめ本を陳列したライブラリーも新設しました。こうしたものを通じて普段の業務では接点のない社員と関われるような、インタラクティブな仕掛けをオフィスのあちこちに仕込んでいます。
——社員がオフィスを自分たちで使いこなしてくれる背景には、どんな組織文化があると思いますか?
坂口:面白いエピソードが一つあります。オフィス移転の準備中、荷物置場を案内したホワイトボードに、誰かが新オフィスへのワクワク感を伝えるべく、 「引っ越し」をモチーフにしたイラストを社員の誰かが自発的に描いてくれました。こういった行動を自然と取れる社員がいるのはありがたいですし、そのような社風や土壌がある当社はとてもいい企業だなと改めて実感しました。
佐藤:個人的に思うのは、出社に伴う移動時間やストレスなどが嫌だとなりつつも、社員の多くは心の中で同じくらい出社した方が楽だなと感じていたのではないでしょうか。それは、例えば、Slackでやり取りして1時間かかる話が、顔を合わせれば5秒で終わるといった経験をしていたからです。そのことが出社に対してポジティブな気持ちに変化させたのかもしれません。
ライブ調理、モバイルオーダーなど進化するDining
——赤坂オフィスの社内レストラン (Dining )についてもご紹介ください。まずは、紀尾井町の本社オフィスと比べてどのような点が異なりますか?
石下:赤坂オフィスのDiningは13階と21階の2フロアにあります。設計に当たっては、本社紀尾井町オフィスでうまく機能していたこと、やりたかったけれどもできなかったこと、そして新たな挑戦という、3つの軸でDiningのプランを立てました。
紀尾井町オフィスを踏襲した点は、食事を提供する機能だけでなく、社内ミーティングや個人ワーク、懇親会など多目的に使える場所にしたことです。
また、以前からやりたかったことを実現したのは、「ライブ感」です。本社オフィスのDiningではどうしても大量調理、一括提供になりがちで、出来立ての料理を出すことが難しかったわけですが、赤坂オフィスではライブ調理ができる厨房設備を整え、目の前で仕上げた料理を提供できるようになりました。21階には鉄板カウンターを設け、焼き立てのステーキやサムギョプサルなどのメニューがあります。紀尾井町はオール電化でガスが使えませんでしたが、赤坂ではガスに対応したことで、石焼きビビンバも楽しめるようになりました。
新たな挑戦という点では、LINEミニアプリを活用したモバイルオーダーシステムを導入したことです。ハンバーガー、サンドイッチ、サラダをスマートフォンからカスタマイズしてオーダーでき、仕上がり通知が届いてから受け取りに行けるため、ピークタイムの行列に並ぶ必要がありません。自社サービスを社内で使うというのは、社員にとっても自社がかかわるサービスを体験でき、好評です。
長谷川:AIを活用したメニュー提案機能も展開しています。社内のAIツールに「ダイエット中なんだけど、今日のおすすめは?」と投げると、その日のメニューと公開している栄養素情報を参照した上で最適な組み合わせを提案してくれます。
——13階と21階、それぞれの特徴を教えてください。
長谷川:13階はビュッフェとモバイルオーダーによるカスタマイズ可能なメニューを提供しており、カフェもあります。また、面白い空間も用意されていて、将棋やチェスのマス目がガラス面にプリントされたテーブル、レゴブロックを自由に制作できるコーナー、卓球台を兼ねたテーブルなどがあります。
21階は定食やうどん、そば、カレーなどのメニューがあり、より食堂らしいフロアです。製麺機で毎日打ち立てのそばも提供しているこだわりぶりで、そば好きの社員は迷わず21階へ向かっているようです。「スマートミール」の認証を受けた健康的な栄養バランス定食も用意しています。
——朝食も提供されているそうですね。
長谷川:はい。無料で朝食を提供する取り組みは紀尾井町オフィスと同様で、おにぎりと、1日の半分の野菜を摂れる汁物を毎日用意しています。きっかけは、社内の健康診断データを分析したところ、朝食の欠食率が高いという結果が出たことです。特に一人暮らしの若い社員には好評で、朝早くから列ができるほどです。
さらに、赤坂オフィスでは午後5時半から7時半まで夕食ビュッフェも提供しています。お菓子などの間食や、遅い時間に外でラーメンなどを食べて帰宅するよりも、適切な時間に栄養バランスのとれた健康的な食事を摂れることが好評です。実際に、朝、昼、夜の3食ともDiningを活用している社員もいますね。
こだわりを持った食事を提供する一方で、価格は1食あたり500円〜1000円程度。運営コストを会社が一部負担することで、外食よりもリーズナブルに楽しめる設定にしています。
——先ほど話にあった、食事以外でのDining活用について詳しく教えていただけますか。
長谷川:Diningを単なる食事の場にとどめず、社内外の人が自然につながれる、偶然の出会いが起きる場所にしていきたいと考えています。その一つが、当社の拠点のある自治体と連携したコラボイベントです。紀尾井町オフィス時代から続いている取り組みで、その地域の農産物や名産品をフィーチャーしたメニューを期間限定で提供したり、物販を行ったり、生産者の方に直接来ていただいて実食してもらう機会を設ける予定です。
また、多くの社員が集まるDiningのスペースを、自社サービスのユーザーテストやユーザー調査を行う場所としても使っています。これらを外部機関に依頼するとコストも時間もかかりますが、社員に呼びかけるだけですぐに協力してくれます。こうした空間の利活用もLINEヤフーならではと実感しています。
——ありがとうございました。
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取材のウラ側
今回の取材で最も驚いたのは、100社以上をリサーチしたという驚異の熱量で作られた社内レストランです。単に綺麗な施設を提供するだけでなく、社員の朝食欠食率というリアルな課題に向き合い、朝食の無料化や夕食ビュッフェまで実装して3食をフルサポートされています。LINEミニアプリを使った注文が熱々のハンバーガーとなって焼き上がる体験は、もはや福利厚生を超えた、社員への愛が詰まったおもてなしだと感じました。
編集部が推したい福利厚生や支援制度
| 1.サバティカル休暇制度 | 自らのキャリアや働き方を見つめ直し、さらなる成長に繋げるための長期休暇制度です。 勤続10年以上の正社員を対象に、最大3か月間の休暇取得が可能となっています。 |
|---|---|
| 2.LINEヤフー Working Style手当 | 場所に縛られない柔軟なハイブリッドワークを支えるための環境支援手当です。 在宅勤務やリモートワークにかかる環境整備費として、毎月11,000円が社員に支給されます。 |
| 3.不妊治療支援(F休暇制度) | 女性特有の心身の不調や不妊治療を理由に取得できる休暇および費用補助の制度です。 月に1日は有給で取得可能なほか、不妊治療の費用を年間最大10万円まで会社が負担します。 |
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