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通販業界に特化したダイレクトマーケティング事業を展開する株式会社スタイルビー。常に成長を求められるベンチャー企業でありながら、居心地のいい職場環境の構築にも積極的に取り組んでいる。そんな同社が目指すのは、家族の温かさが融合した組織だという。 今回は、代表取締役の川口徹さんと、ダイレクトマーケティング本部コーポレート局 局長の福薗美帆さんに、組織づくりや働き方についてお話をうかがった。
目次
“かかわるすべての人”を尊重する、真面目な社風
社員だけでなく、外部パートナーとのつながりの中で仕事を進めることが多いスタイルビー。一つひとつの関係を丁寧に築き、大切にする姿勢は、そのまま社風に反映されている。
—まずは御社の社風についてお聞かせください。
川口徹さん(以下、川口さん) 社風と言えるかわかりませんが、当社に対して「真面目」という印象を持つ外部のパートナーさんは多いようです。
「信頼を第一に、新しい価値をもって顧客を創造し、顧客に貢献することにより、かかわるすべての人が幸せになる」。これを企業理念に掲げているんですが、仕事に真面目に取り組む姿勢が、他者を思いやり、幸せにする行動につながると考えています。ですので、採用においても、そういった真面目さが感じられるかどうかを重視しています。
——外部パートナーとはどのような方を指すのでしょうか?
川口さん スタイルビーは、ダイレクトマーケティングを中心とする広告代理店です。制作会社、媒体社、印刷会社、商品製造OEMなど、本当に多数の外部会社と関わっています。そうした方々を、私たちと一緒に仕事をする仲間という意味で「パートナー」と呼んでいます。
パートナーさんたちと信頼関係を築くためにも、社員が「真面目」であることは必要不可欠です。例えば仕事を依頼する際の資料も、お願いしたいことを丁寧にわかりやすく書くことで、齟齬がなくスムーズに進行できます。中途半端な情報だと混乱を招きますし、信頼を失いかねません。パートナーさんがいなければ私たちのビジネスは成り立たちませんし、とても大切な存在なんです。
福薗美帆さん(以下、福薗さん) 実は去年、パートナーさんに対して「満足度調査」を実施したんですね。答えにくい部分もあるかと予想していたのですが、評価だけでなく、当社への要望もしっかり書いていただけて。それを見て、遠慮なく意見を言っていただけるような関係性を築けているのだなと、うれしく思いました。
話しやすい雰囲気が、コミュニケーションを活発にする
スタイルビーでは状況に応じてテレワークも取り入れているが、コミュニケーション上の問題は生じていないという。社内コミュニケーションを活発化させるための施策について尋ねてみた。
—外部パートナーとの関係性が良好だと、仕事もスムーズに進みますよね。社内コミュニケーションについてはいかがですか?
川口さん もともと一人だけでできる仕事ではないので、テレワークの場合も、Zoomなどのウェブ会議ツールを使ってコミュニケーションをよくとっていますね。新しく完成したオフィスには、リビングのようにみんなが集まれるスペースをつくったので、社内だけでなくグループ会社のメンバーとの交流も生まれています。パートナーさんも、オフィスによく顔を出してくれるんですよ。
あとは、企業理念の達成を目的につくられた、「20の行動指針」というのがありまして。それを浸透させるために社員をランダムにチーム分けして、自分が経験したことや日頃考えていることをチーム内で共有する時間を月1回とっています。そこで、部署を超えた交流も生まれていますし、行動指針という共通言語があると、コミュニケーションも深まりやすいと思います。
福薗さん 実は、そこで業務上の不満が出てくることもあるんです。でも、そういった不満や愚痴を遠慮せずに言い合えるのは、手前味噌になりますが、当社の良いところだなと感じています。
また、チャットツールを通した交流も盛んですね。完全テレワークで働く子育て中の女性社員がいるんですが、子どもがつくった絵本を社員の雑談用ルームでシェアしてくれて、それを見てみんなで盛り上がったりして。そんなふうにプライベートな出来事も気兼ねなく話せるのは、代表の川口が自分の子どもを職場見学に連れてくるなどして、家族を大事にしている姿を日頃から見せているからだと思います。
川口さん プライベートを充実させてこそ、いい仕事につながります。当社は成長を求め続ける「ベンチャー企業」ですが、アットホームで従業員の家族の顔も見える温かさを取り入れた組織にしていきたいですね。
必要な人が、会社と一緒に新たな制度をつくればいい
全社員のうち女性が7割近くを占めるのも、スタイルビーの特徴の一つだ。働きやすい環境を実現するために、どんな仕組みが整えられているのだろうか。
川口さん 仕事を頑張れるのは、家族の理解や支援があってこそなんですよね。仕事も大切ですが、プライベートを充実させることも大切です。例えば有休にしても、家族サービスやプライベートの用事があるときは気軽にとれる雰囲気がありますし、理由を細かくチェックされることもありません。
あと、役所や病院に行きたい場合、有休や半休を丸々使ってしまうのはもったいないですよね。そんなときのために、1時間単位で有休をとれる「時間休」の制度があります。仕事の前に銀行に寄って用事を済ませたり、誕生日なのでと早めに帰る社員もいたりして、みんな上手に活用しています。
—福利厚生では、ほかにどんな制度がありますか?
川口さん 制度で言うと、5人以上集めて部をつくると部費が支給されますし、資格の取得を支援する制度もあります。ただ、考え方として、なにか必要な制度があればその人が会社と一緒につくっていけばいいと思っているんです。会社が用意するよりも、そのほうがニーズに合った最新の制度に整えられますから。
そうした考えのもと、実はいま、新卒1年目~3年目の社員に「会社が発展成長しみんなが幸せになる福利厚生制度を考える」というテーマで企画を立ててもらっているところです。
—会社が一方的に制度を与えるのではない、と。
川口さん それは仕事においても同じで、与えられるのを待つのではなく自ら動いてチャンスを掴んでほしいというのが当社の考え方です。これは企業メッセージである「WILL」に通じるもので、「WILL」という言葉に込められた「『チャンス』を待つのではなく、『意思』を持つだけでもなく、『意思・情熱』を持ち続け、行動し続けることでチャンスを掴む」精神を重要な指標としています。
起業家を生み出すプラットフォームに
—御社では、受け身ではなく、能動的に動くことが求められるのですね。
川口さん そうです。言い出した人がやらなきゃいけない空気が社内にあるので、自ら動くことができない人は大変かもしれません。その代わり、チャレンジする人はとことん応援します。
年齢もキャリアも関係なく、自ら提案してチャンスを掴もうとする人には、積極的に挑戦してほしいですね。2年目から重要な案件を担当する社員もいますし、新卒社員でも中途社員でも、「この人に任せたい」と思ったらどんどん仕事を任せることにしています。
福薗さん 新入社員はなかなか大変かもしれませんが、自分がプロであることを意識して仕事に取り組む大切さを、入社時から伝えています。新入社員という肩書きを言い訳にしてほしくないんです。
—その責任感が結果を出す行動へとつながるんですね。最後に、御社の今後の展望についてお聞かせください。
川口さん 創業当初から考えているのは、オン・オフなく仕事が楽しめる環境をつくることです。日曜の夜に、「明日仕事に行きたくないな……」と思われる職場には絶対にしたくないですね。
もちろん、成長を目指し、業績を伸ばしていくことは必須です。スタイルビーは株式会社ファインドスターのグループ企業ですが、ゆくゆくはスタイルビーのグループ会社をつくってグループ経営に舵を切ることも目標としています。
ファインドスターグループ全体で、起業家とベンチャーを生み出すプラットフォームをつくることをビジョンの一つに掲げています。起業することで新たなサービスが生まれ、新たな雇用も生まれ、それが社会貢献にもつながると信じていますし、スタイルビーとしてもそれをしっかり体現していきたいと思っています。
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取材のウラ側
ダイレクトマーケティングという営業主体の組織、かつベンチャーでありながら、周囲と良好な関係性を築き上げているスタイルビー。その組織づくりの秘訣は、仕事はもちろん、プライベートも尊重する社内環境にあるのではないかと感じた。企業理念である「すべての人を幸せにする」を、実現できている証とも言えるだろう。自ら動いてチャンスを掴む姿勢を重視するスタンスは、今後も社員一人ひとりの確かな成長、そして企業のさらなる飛躍へとつながっていくに違いない。
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