社会的な責任を果たす企業に ー 「B Corp認証」とは

現在、多くの企業や団体、個人が取り組むSDGsは、社会にとっての責任ある行動を示したものである。SDGsは義務ではなく、「Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標」とあるように、あくまで努力目標だ(もちろん、その目標は達成されるべきである)。

今回取り上げる「B Corporation(以下、B Corp)」は、公益を追求し、社会的な責任を果たしている営利企業に与えられる、世界標準の認証制度である。B Corp認証を受けた企業をごく簡単に表現すると、“良い会社”と言うことができる。

日本ではまだあまり馴染みのないB Corp認証について、制度の概要から、認証取得の流れ、国内での実態まで見ていきたい。

関連記事:企業がSDGsに取り組むための第一歩。「重点課題の特定」と導入事例

 

“良い会社”の世界標準

B Corp認証を受けた企業は、“良い会社”と言われる。それはなぜだろうか。

B Corpの「B」は「benefit」の頭文字であり、benefitには金銭的な「利益」という意味のほかに、人や社会の幸福につながる「便益」や「恩恵」といった意味がある。認証を受けるには、認証組織が定めた高い評価基準をクリアせねばならず、さらに認証を受けつづけるには3年に1回の更新が必要となる。

評価基準では、社会や環境に配慮した事業活動が問われるため、B Corp認証を受けた企業は・・・