インタビューにお応えいただいた金 成柱さん

上場企業と上場を目指す企業を支えるソリューション

「成長企業がより成長するための支援を通じ、ともに成長し、日本経済の発展に寄与する」を企業理念に、そして「成長企業がより成長するためのビジネスプラットフォームになる」をビジョンに掲げる株式会社IR Robotics。事業指針は極めて明確だ。

ーー事業内容について教えてください。

我々のお客様は、上場企業・上場準備中企業・将来上場を考えている企業です。こうした企業の皆様を「成長企業」と定義しています。

 

 

当社では、「成長企業がより成長するための支援を通じ、ともに成長し、日本経済の発展に寄与する」という企業理念をもとに、3つの事業を展開しています。

1つ目は「IR DX事業」です。動画サービス「IR TV」の運営を軸に、インターネットメディアやソーシャルメディアを活用したIR支援を行っています。まずは会社の認知を上げて、ビジネスモデルや強みを解像度高く理解してもらうことを目的としています。

2つ目は「エデュケーション事業」です。上場を志す企業を対象とした会員制のコミュニティ「Next IPO Club」を運営しています。直近2年以内に上場を実現した会社の社長やCFOを講師にお招きして、毎月上場準備期間の体験談の共有を中心とした勉強会を開いています。これは、日本で唯一のIPOに特化したコミュニティです。また、上場した後も今後の戦略や打ち手に関する勉強をしたいという上場企業経営者からのニーズをくみとって、上場企業の経営陣を対象とした「上場企業倶楽部」という勉強会のコミュニティも運営しています。

3つ目は、人材紹介事業「CxO人材バンク」の運営です。こちらは平均年収1000万円のハイクラスな材に特化し、紹介先も上場企業か上場準備中企業に限定しています。上場前後には優秀な人材が不可欠です。「成長企業」を対象にビジネスを展開している我々だからこそできるサービスだと思います。

コロナ禍、オンラインで得た伸びしろ

ーー御社の強みを教えてください。

上場企業・上場準備中企業を中心とした、成長志向の“優良企業”ネット―ワークが強みです。これは、優良顧客のデータベースとも言えます。そういった企業の経営層と常にコミュニケーションを取れる環境を持っていることが我々のオリジナリティだと思います。また、こうした各事業の顧客対象が全く同じことも、我々のビジネスにとってプラスに働いています。つまり、事業間でお客様を共有できるのは大きなアドバンテージだと思います。

ーー事業を展開するうえで、大切にされていることはありますか。

「成長企業をより成長させるためのビジネスプラットフォームになる」というビジョンが、すべてのベースになっています。

また、バリューには次の4つを掲げています。「プロフェッショナル」「ホスピタリティ」「インテリジェンス」「チームワーク」です。「プロフェッショナル」とは、お客様よりも圧倒的にその分野での専門性を高めること。「ホスピタリティ」とは、常に相手の立場になって考える姿勢のこと。当社のサービスはお客様から月額課金型でフィーを頂いているものが大半なので、継続的に良いお付き合いをするために欠かせません。「インテリジェンス」には、常に良質なインプットを怠らず、常に学び、常に自分をアップデートすることが必要である、とのメッセージを込めています。最後の「チームワーク」は、顧客の共有を中心に、互いに知恵を出し合い、困った時は互いに助け合う重要性を説いたものです。

ーー2021年はコロナ禍のまっただ中にもかかわらず、14年ぶりに新規上場(IPO)企業が100社超えとなりました。

IPOの増加は、コロナ禍でIT企業を中心にわかりやすく業績が伸びたためだと思います。同時に、各所でDX化の波が押し寄せ、出張がなくなったり、会議もオンラインに切り替わったことで販管費を大きく下げた企業も増えました。また、上場にかかる証券会社の審査、東京証券取引所による審査もオンライン化され、効率が上がったことも要因の一つと考えています。コロナ禍による社会の在り方、経済の在り方の変化によって、当社のすべての事業も今までにない伸びを見せました。

「IR DX事業」に関しては、IR活動の方法に変化が起こりました。従来のリアルな会場で投資家を集めて説明会をおこなってきたのが、一気に非対面・非接触のオンライン化のニーズが増えました。それを追い風に当社への問い合わせも増え、おかげさまで利用企業は昨対比で倍になりました。

経営層を相手にすることで、成長スピードも変わる

ーー御社ではどのような方が活躍されていますか。

私たちの4つのバリューを体現できている人です。成長意欲の高い人にとっては、当社の仕事はやりがいがあると思っています。

具体的には、私たちの仕事は上場企業の経営層、上場準備中企業の経営層を相手にする仕事です。私はよくボクシングの階級にたとえるのですが、階級が上の人と毎日スパーリングをすることで鍛えられると思っています。自分よりも階級が下の人とスパーリングをしていては、決して強くなることはありません。それと同じで、“階級”が上のビジネスパーソンと日々本気で向き合って仕事をすることで、結果として自分自身のスキルアップにも繋がります。

ーー組織として大切にしていることを教えてください。

セクショナリズムをつくらないことです。前段でも申し上げたように、当社の3事業すべてお客様の層がかぶります。セクショナリズムが発生してしまうと、当社の強みが発揮されなくなります。事業部横断でクライアントとのタッチポイントをつくることによって事業部ごとの営業コストは下がり、顧客情報を理解することによって営業の機会が増えます。自社のことを会社全体で「自分達のことを理解してくれている」とお客様に感じていただければ、満足度にもつながるのでメリットばかりですります。この部署同士の連携と風通しの良さが、うちのカルチャーだと思います。

ーー御社の評価制度について教えてください。

3事業すべてに共通している評価軸は、シンプルに「成果」です。すべて数値化していて、再現性のある能力に給与アップにつながり、いわゆる“ラッキー受注”はボーナスに反映されます。数値で評価することで会社や部署にどれだけ貢献しているかは自分自身が一番よくわかっているでしょうし、成果を出す人が給与で評価されることが重要だと考えています。活躍するのに年齢は関係ありません。現在当社の平均年齢は29歳です。

成長企業支援のコングロマリット企業を目指す

成長企業を対象に事業を展開するIR Robotics社。順調に成長を続ける同社が描く未来はどのようなものなのだろうか。

ーー今後の展開についてお聞かせください。

「成長企業を対象にする」という軸足をぶらすことなく、新たな事業を展開していきたいと思っています。現在は3つの事業をおこなっていますが将来的には4つ目、5つ目と事業を作っていく予定ですを展開していきたいと思っています。そして“成長企業のハブ”となり、お客様にとってなくてはならないコングロマリット企業にできればと考えています。

新たな事業を展開していくためには既存人材の成長と、優秀な人材の確保が急務です。 2021年頭の社員数は7名ほどでしたが、2022年中には35名程まで増員する予定です。事業を拡大するには、一つの事業を受け持つことができる事業部長クラスが重要になるので、社内からの抜擢と、外部からの採用活動に力を入れていきたいと思っています。

 

撮影場所:WeWork 日テレ四谷ビル

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取材のウラ側

IR情報の発信から採用まで。セクション間で情報を共有することにより、顧客が抱える課題をピンポイントではなく線的に解決する――。組織のサイロ化を退ける風通しの良さは、株式会社IR Roboticsの成長の秘訣だ。上場企業の経営層と直接コミュニケーションできる仕事はそうそうない。金氏がボクシングに例えたように、同社には成長の機会がたくさん転がっているはずだ。社員の平均年齢が若く、多くの事業構想を抱えているため、若手も活躍しやすい職場だと感じた。