Z世代(ジェネレーションZ)とVUCAの時代

 

「青春」のそばに、当たり前のようにSNSが存在している世代——。1990年代半ばから2000年代に生まれた世代を「Z世代」と呼ぶ。

 

彼らの年齢(1995年生まれを基準)とSNSの歴史をたどってみると、Facebookが設立された2004年に9歳、2008年の13歳にはTwitterが日本に上陸。15歳を迎えた2010年には、Facebookの日本支社が設立され、InstagramもAppStoreにリリースされている。翌年の2011年にはLINEが日本でサービスを開始した。Z世代の一期生が23歳を迎えた2018年には、TikTokが世界を席巻している。

 

Z世代が多感な時期を過ごすのと同じ時期にSNSも隆盛を極めており、彼ら世代のとなりにはいつもSNSがあると言える。そんなことから、Z世代を「ソーシャルネイティブ世代」とも呼んでいる。

 

様々な情報をマスメディアから得ていた世代とは比較にならないほど、あらゆる情報と自由につながっているZ世代の価値観が多様であることは容易に想像がつく。Z世代はこれからの日本、世界の労働人口において、その割合を増してくる。そこで、実際にZ世代が社会をどのように捉え、関わっているのかを掘り下げることで、不確実性(*VUCA)の時代と言われる今の時代とこの先の未来における生き方や働き方のヒントを得たい。

 

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*編注
VUCAとは次の英単語の頭文字をとった言葉で、近年、主にビジネス領域で使われている。
Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性

 

Z世代が大切に思うのは「家庭」?

 

まず彼らがどのような価値観を持っているのかを示唆する、ある調査結果を提示したい。Z世代が中心となって立ち上げたプロジェクト「Z世代会議」が、2018年4月に発表したレポート「若年層の価値観・ライフスタイルに関する調査『Z世代レポート2018』」だ。

 

国内在住の16〜35歳、2824名を対象に行った調査だが、このなかでとても特徴的であり印象深いのが、価値観・ライフスタイルに関する104の選択肢から、Z世代に該当する16〜21歳が選んだ項目である(「Z世代レポート2018」P11)。彼らが最も多く選んだのは・・・